楽しい人生のTips

楽しいと楽は違う

sea.(発行:黙劇プレゼンツ)を読んで。

先日は文学フリマに行って、文を学んできました。(?)

 

普段小説や仕事・趣味関係の文献や冊子は結構読む方だとは思いますが、

詩を能動的に読んだのは、、、初かもしれない?

経験も兼ね、感想を書いてみたいと思います。

(こういうの書いたことがないので拙いとは思いますがご容赦ください・・・)

 

※作者さま別で、基本1つの詩に対して感想を書いてみました。

 

ほかのなにか さん

・来る海

ほんとうはこわい自然と
それを遠慮なくいじってしまう人間と
そんな人間を諦念の気持ちで眺めつつ、人間につくられたものに対しては愛おしさをもつ主体の、ぼんやりとした葛藤がじわーっと心に広がって、どんよりとしたつらさを感じました。
「思いのほか 死も近い」ってフレーズがすごい頭に残ってます。軽い前動作からズンとくる感覚。


カジノマユ さん

タナトス

オープニングアクト「溶けていく思い出に蓋をして 腐敗させたら人生でした」にやられた。
こんなの「そのとおりでございます。こんな大人になってしまい本当にすみません」としか思えない。
気持ちを前向きに消化させるのって難しいよな~と改めて考えさせられました。

 

四流色夜空 さん

・はじまりの場所
口に出して読むのが楽しい作品No1だと思う。
「その価値を奪え」の暴力めいた印象のある言葉と、状況を丁寧に描写しているところから(勝手に)村上龍っぽさがあると思いました(すごくすき)

キャッチアンドリリースの精神
こちらは目で追ってリズミカルに感じた。
読点がないからこそ、読み手が自分で溜めを作れるのかも。(あと、改行の頻度が心地いい)


マツ さん

・わたし
頭のなかに動画のイメージがスルスルっと入ってきたのはこの作品だった!
詩を呼んで、リズミカルな映像作品を見ているような感覚を持てたのは新鮮でした。

 

ミチル さん

・揺れる

最後の3行から感じられる力強さが印象的でした。自分的に色付けをするのならば後悔の感覚なのかな・・・
独占欲ってこわいよねえ。


末埼鳩 さん

・分かれあって分かりあえない

タイトルがとても好き。「別れる」と「解る」を同一のものさしで表現しようとしているのかな?と思いながら本文をよむと見え方が変わっておもしろい。


髙雄宥人 さん

心因性のリーフ・カレント

「何か新しいことを始める前には、後ろのドアを閉めなければならない」的な、どこかで読んで心に残っているフレーズを思い出しました(あやふやな記憶)
しっかりと自分のなかでけじめをつける、心の整理って必要だなーと。
「完全な離岸の前には すてきなことがしたくなる」ってフレーズは遊び心を感じつつも共感する部分もあって素敵だなと思いました!

 

九 さん

・一人で海を見に行った
デカすぎる自然(語彙力皆無)に救われる感情ってありますよねー!わかるー!(語彙力皆無)
社会人二年目って何してたっけ・・・仕事でアワアワしてたな・・・

 

かにはる さん

・ぬくもり
ハッとしたのが、海を見ていて、たしかに永遠と瞬間、どちらも感じるな、、、と思わされる。
総体としてはずっとそこにあるけど、でもその瞬間しかない波の形・泡立ちってあるよなあと。素敵。
読んだあと、暑さがガンガンに伝わってきたのでアイスが食べたくなりました(?)

 

黙劇 さん

・黒い海
「質量とグロテスク」、海は持ってますよね。
地元は海沿いだったのもあり、冬の海を見に行くのを結構やっていましたが、あの怖さと分厚さはやはり人間とは一線を画した存在なんだなあ、と感じたのを思い出しました。
冊子の最初の作品(ほかのなにかさんの「来る海」)との対比(心情的/写実的)ないし同一(海は本来怖いもの)な視点を持つ詩が最後にくるのがいいなあと思いました。編纂能力すごい・・・。

 

 

感想を書く(だけ)でもものすごいエネルギーを使うな、、、

モノづくりをしている人ってすごいなー、などと改めて考えさせられますね。

でも「自分がなんで心地よい/胸が詰まる感情になった?」って内省するきっかけになるので、すごい良いことなのかもなーと思いました。

 

読んでいて楽しかったです、作者の皆様、発行者の黙劇さん、ありがとうございました!