「コインロッカー・ベイビーズ」を読んで。
この本を読んだ感想を一言にまとめると、
異なる生き方を選択した3人が目的を成し遂げる作品。
そう思いました。
主人公一人目の「キク」は
「自分が最もほしいものは何かわかってない奴は、欲しいものを手に入れることが絶対にできない。」という信念のもと
自らを突き動かすモノ(でっけぇ鉄の輪?という描写が会った気がする)に従い、
本能で行動し続けた。
それは、前半は社会的に素晴らしいことを成し遂げ、
後半は、パブリック・エネミーそのものであった。
二人目の「ハシ」は真逆で、
相手が望むこと、周りが望むことを察知し、
徹底的にそれを突き詰めることで、社会的成功を(一時的に)手にした。
三人目の「アネモネ」は、
恵まれた環境にいるが、それ故に生まれる厭世観に苛まれていたところ、
本能で行動する「キク」に惹かれ、行動を共にする。
結局のところ、彼女は徹底して傍観者であったのだと思う。
この作品の特筆すべきところは、(村上龍さんの特徴?)
終始一貫して淡々と書かれているにも関わらず、
物凄い熱量を感じる部分なんじゃないかなあと思う。
ひとつひとつは、短文で明瞭。めっちゃわかりやすい。
(逆に言うと、エグいこともサラッと書いてあってびっくりする)
丁寧に舞台背景を説明してくれるからこそ、作品に入り込みやすいのかも知れない。
40年前の作品と知って震えた、、、
なんでみんなこんな面白いの教えてくれないの、、、
文庫版だと550ページくらいありましたが、勢いで読めちゃいます。
時間が会って、久しぶりに本が読みたくて、エロ・グロに耐性があれば
おすすめしたい本だなあ、と思います。
多分、好き嫌いはめっちゃ出る。
最後だけど、
作品のヒキは当時めっちゃ議論になったと思っている。。。
(僕はアリ派です)
とりとめもなくおわる